相続/遺言/信託
1 はじめに
不動産登記とは、取引の安全を資するため、不動産の物理的現況及び私法上の権利関係を
第三者に対して公示する制度です。
イメージしてください。
例えば、あなたが「土地を買って家を建てよう!」と考えます。するとあなたは、まずは
不動産屋に行き、あるいはインターネットにおいて予算に合わせて土地を探し始めます。
探し始めて1週間、あなたは良さそうな土地を見つけました。
不動産屋に連絡をして、早速その土地を見に行きます。土地を見て、周辺の施設や駅
までの距離、日当たりなどを確認し気に入ったあなたは、この土地を買うことにしました。
所有者のAさんと契約を交わそうとしていたところ、突然Bさんという方が現れました。
「この土地は私のもので、売るつもりはありません」
あなたは困ってしまいました。
さて、こんなときどうやって本当の所有者を見極めたらよいでしょう?
不動産は一般的に高額であり、その権利が誰のものであることを証明する手段がなかったら
困ってしまいますよね。
こんなとき、不動産の『登記簿謄本』というものが役に立ちます。
2 登記簿謄本とは?
不動産の登記簿謄本とは、土地の所在や建物の家屋番号、所有者は誰である等、
その不動産に関する情報が記載された紙のことを指し、正式名称は「不動産全部事項証明書」といいます。
登記簿謄本は各法務局において一般に公開され、その不動産の情報、例えば土地であれば、
「東京都渋谷区渋谷一丁目24番」などと、所在及び地番がわかれば誰でもその謄本を取得することが可能です。
さて、先ほどの続きです。
どちらが所有者かわからず困ったあなたは法務局で購入しようと思っていた土地の登記簿謄本を請求してみました。
窓口で待つこと20分。ようやく名前が呼ばれ、念願の謄本を取得したあなたは、所有者の欄を見て驚きます。
「Xって書いてある!」
あなたはホトホト困ってしまいました。登記簿謄本を見れば所有者がわかるって聞いていたのに、、
AでもBでもない人が出てきてしまったのです。
登記簿謄本の権利の部には、所有者の住所と氏名、取得年月日と登記をした日付などが記載されています。
じっくりと見ていたあなたはあることに気付きました。
そういえば、XもAもBも名字が同じだ。Xの住所は、Aが言ってた住所とも同じような気がする。
これはひょっとして、元は同じ家族ではないのか??
3 遺言書を書こう!
あなたの予想通り、話を当事者に聞いてみたところ、XとA・Bは親子関係にありました。
AとBはXの相続人で、土地の相続を巡って争っていたのです。
遺産分割協議は、兄弟間で行なう場合、まとまらないこともしばしばあります。お互いに結婚し、
それぞれパートナーがいたらなお更です。
子供たちのこんな争いは見たくありませんよね。でも、自分が死んだ後に揉めるだなんて、ウチに限ってそんなこと、、
いいえ、お考え直しください。「ウチに限ってそんなこと」は実際に起こり得ます。
遺された者たちの不毛な争いを避けるためにも、ぜひ「遺言書」を書いてください。
遺言書は昔は縁起でもない、と書くことを躊躇う方が非常にたくさんおりましたし、今でもそうお考えの方も多いかもしれません。
ただ、遺言書は、遺言者から遺された者たちへの最後のメッセージです。
あなたが遺言書を書くことによって、AとBは争わずに済むかもしれません。
遺言書は、日付が新しいものに上書きされていきます。
これが最後!と決め付ける必要はありませんので、まずは書いてみましょう。
わからないことがあればお気軽にご連絡ください。そんなあなたをお手伝いします。
司法書士は、不動産登記のプロフェッショナルです。
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